みなさん、日経平均とS&P500の推移を比較した下のようなグラフを見たことはありませんか?
ネット上でよく使われている比較グラフですが、これを見ると日経平均とS&P500はとてつもない差があるように見えます。そのため、日経平均に投資するのは間違った行為のように思われますね。
しかし、本当にそうでしょうか?実はこの比較グラフ、少し条件を変えるだけで全く違った結果になることがわかりました。
詳しく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
日経平均とS&P500の推移比較の問題点
改めて日経平均とS&P500の推移を比較したグラフを載せます。
このグラフがどのように作られるかを説明すると、どちらも開始時の株価を1として、その後の値動きを開始時からの変化の割合として表します。その結果、開始時から何倍になったとか、何分の1になったという評価ができるようになっています。
1985年の株価を1として現在までの推移をグラフ化すると、確かに上のようなグラフになります。
これを見ると日経平均に投資するよりS&P500に投資する方が何倍もよさそうに見えますね。しかしこの比較方法には、開始時をいつに設定するかで結果が大きく変わってしまう問題があります。
詳しく見ていきましょう。
1950年以降の比較
先ほどのグラフは1985年を開始時に設定していますが、次は1950年を開始時に設定してみます。そのときのグラフは下のようになります。
全く違うグラフになりましたね。
日本のバブル期の株価上昇はS&P500の比ではないことがよくわかります。
このように、開始時をいつにするかで比較結果は大きく変わります。開始時を1985年とするグラフは比較の一例にすぎず、これだけで日経平均とS&P500のパフォーマンスの違いを決めつけるべきではありません。
2000年以降の比較
次は開始時を2000年に設定してみましょう。
2000年代初期のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックで、日経平均もS&P500も大きく落ち込んでいますが、S&P500の方が早く回復しており、その後は差が広がっていってますね。それでも、1985年開始のグラフと比較すると、それほどひどい結果ではないことがわかります。
アベノミクス以降の比較
最後にアベノミクスが始まった頃の2013年を開始時に設定しましょう。
結構似ていると思いませんか?
2022年10月の時点で、両者のパフォーマンスはほぼ一致しています。この結果を見ると、日経平均も悪くはないですね。
まとめ
日経平均とS&P500の推移比較について解説しました。
ネット上でよく使われている比較グラフでは、日経平均はS&P500の足元にも及ばないように見えてしまいます。しかし、アベノミクス以降を見れば日経平均もS&P500も似たようなパフォーマンスであることがわかりました。
今後の株価がどうなるかは誰にもわかりませんが、日経平均にもチャンスはあるのではないでしょうか。少なくとも、1985年を開始時とするグラフほど悲観的にとらえる必要はないと私は考えます。
何かの参考になれば幸いです。
コメント