1月の株価でその年の相場を予測できるか検証した結果

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みなさん、株の値動きを予測する方法があったらよいと思いませんか。

もちろん確実な方法はありませんが、全く手がかりがないわけではありません。その一つが、1月の株の値動きからその年の相場を予測する方法です。

本記事では、日経平均とS&500の過去のデータを用い、1月の株の値動きとその年の値動きの関係を調査しました。その結果、1月の成績によって相場をある程度予測できることがわかりました。

詳しく解説しますので、今年はどのように投資していこうか迷っている方の参考になれば幸いです。

目次

日経平均で1月の株価から相場を予測

始めに検証方法を説明します。

検証方法
  • 1950年から2022年までのデータを使用する
  • 1月初日の始値と1月最終日の終値から、1月の騰落率を計算する
  • 2月初日の始値とその年の12月最終日の終値から、2~12月の騰落率を計算する
  • 1月の騰落率と2-12月の騰落率に関係性が見られるか調査する

この検証の目的は、1月の株の値動きを確認してから、2月以降の投資方針を考えることができるかを調査することです。

日経平均のデータを使って検証した結果は下のグラフのようになりました。

日経平均の1月の騰落率と2~12月の騰落率の関係

図の見方は、横軸が1月の騰落率、縦軸が2~12月の騰落率となっています。

詳しく見ていきましょう。このグラフは下の図のような4つの象限で考えることができます。括弧の中は各象限に入ったサンプル数(出現回数)を示しています。

各象限のサンプル数

それぞれの象限は、次のような意味を持っています。

各象限の意味
  • 第一象限:1月がプラスで、かつ2~12月がプラスだった年
  • 第二象限:1月がマイナスで、かつ2~12月がプラスだった年
  • 第三象限:1月がマイナスで、かつ2~12月がマイナスだった年
  • 第四象限:1月がプラスで、かつ2~12月がマイナスだった年

これらの情報を使って騰落の期待値を求めると、以下のことがわかります。

騰落の期待値
  • 1月がプラスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は67%
  • 1月がプラスで終わった年の2~12月がマイナスになる確率は33%
  • 1月がマイナスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は56%
  • 1月がマイナスで終わった年の2~12月がマイナスになる確率は44%

1月がプラスで終わった年は全部で48回(第一象限+第四象限)あり、そのうち32回はプラス(第一象限)、16回はマイナス(第四象限)でした。したがって、3回に2回はプラスになったということですから、比較的高い確率と言えるでしょう。

一方、1月がマイナスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は56%程度で、プラスになる確率の方が高いとはいえ、ほぼ五分五分といったところです。強気にいくにはリスクが高いと言えます。

ちなみに、2022年は1月の騰落率が-7.2%で、2~12月が-3.9%でした。

グラフ中の赤い線はトレンドラインといわれる線で、データ全体の傾向を知ることができます。トレンドラインが右肩上がりになっているため、1月のパフォーマンスがよいほど2~12月のパフォーマンスもよいという傾向が見られることを示しています。

この結果を投資に活かすには、1月の値動きを確認してからその年の投資方針を考えるのがよいと言えます。1月の成績がよければその年の株価上昇が期待できるので、積極的に投資していくのもよいでしょう。一方、1月の成績が悪い場合は、今後の値下がりに備えてキャッシュポジションを増やしていき、安くなったら仕込むといった戦略が考えられます。

S&P500で1月の株価から相場を予測

次に、S&P500で検証した結果を下に示します。日経平均と同様に1950~2022年のデータを使用しました。

S&P500の1月の騰落率と2~12月の騰落率の関係

また、各象限のサンプル数は以下です。

各象限のサンプル数

これらの情報を使って騰落の期待値を求めると、以下のことがわかります。

騰落の期待値
  • 1月がプラスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は86%
  • 1月がプラスで終わった年の2~12月がマイナスになる確率は14%
  • 1月がマイナスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は61%
  • 1月がマイナスで終わった年の2~12月がマイナスになる確率は39%

驚くことに、S&P500で1月がプラスで終わった年は、約86%もの高確率で2~12月がプラスになっています。日経平均の場合よりも20%も高い確率となっていますね。かなり安心感が高いのではないでしょうか。

一方、1月がマイナスで終わった年の2~12月がプラスになる確率は61%で、1月がプラスで終わった年より25%も下がってしまいます。ただ、S&P500は1月がマイナスの場合でも、2~12月は60%以上の確率でプラスになるのですから、あきらめる必要はないですね。

ちなみに、2022年は1月の騰落率が-5.5%で、2~12月が-15%でした。2022年は日経平均よりも悲惨な結果です。

トレンドラインを見ると全体的な傾向は日経平均と共通しており、1月の成績がよい方が2~12月の成績もよくなる可能性が高いと言えます。この結果から、1月の成績を確認してからその年の方針を決める方法は、過去のデータを見るかぎり効果的です。

まとめ

日経平均とS&P500の過去のデータを使い、1月の値動きと2~12月の値動きの関係を調査しました。

調査結果から騰落の期待値を求めると以下のようになりました。

スクロールできます
日経平均S&P500
1月がプラスで終わった年に2~12月がプラスになる確率67%86%
1月がプラスで終わった年に2~12月がマイナスになる確率33%14%
1月がマイナスで終わった年に2~12月がプラスになる確率56%61%
1月がマイナスで終わった年に2~12月がマイナスになる確率44%39%

1月がプラスで終わるかマイナスで終わるかで、その年の相場をある程度予測できることが確認できました。

みなさんも、本記事を参考に今年の投資方針を考えてみてはいかがでしょうか。

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