【書評】ウォール街のランダム・ウォーカー

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「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理」(日本経済新聞社)
著者:バートン・マルキール
訳者:井出 正介

本書の原本は1973年に出版されました。約50年も前のことです。半世紀にわたり読まれつづけている名著。まさに不滅の真理です。

目次

本書はこんな人におすすめ

  • 株式投資をこれから始める人
  • 株式投資を始めたけれど成果が出ない人
  • 自分の投資スタイルを探している人
  • インデックス投資について知りたい人

投資にはテクニカル分析ファンダメンタル分析インデックス投資といった、様々な投資スタイルがあります。

これから投資を始める人や、最近始めたけれど成果が出ない人、自分の投資スタイルを探している人には本書がおすすめです。特にインデックス投資については、本書が全面的に支持する投資スタイルで、詳しく説明されています。

本書を読むメリット

本書は個人投資家がプロに立ち向かうための手引書です。個人が株式市場でどのように振る舞うべきか、著者のプロとしての経験から行き着いた真理が語られています。

なぜあなたの投資手法がうまくいかないのか、どのような投資手法ならうまくいくのか、本書を読めばそれがわかります。

株式投資で成功するための道しるべとなるでしょう。

本書の内容

第1部 株式と価値

主な内容
  • 株式市場で繰り返される投機ブームやバブルの事例
  • 投資のプロである機関投資家の行動
  • 21世紀に起こった巨大バブルの崩壊

第1部では、株式市場で投資家が犯してしまう投機やバブルといった失敗事例を紹介し、投資家がとってはならない行動や、心得ておくべき教訓が述べられています。

重要なポイント
  1. 投機にお金をつぎ込んではならない
  2. プロでも売買タイミングで勝負することは難しい
  3. 市場は時として不合理な動きをするが、やがては本来の価値に回帰する

投機に手を出し失敗する事例が後を絶たないので、具体例をいくつも紹介し、注意喚起する内容となっています。

これらのポイントには、投資家が失敗しないための重要な事実や教訓が示されていますので、とても参考になります。

第2部 プロの投資家の成績表

主な内容
  • テクニカル分析とファンダメンタル分析について
  • テクニカル戦略で儲けられるか
  • ファンダメンタル分析は役に立つか
  • 投資信託の成績

第2部では、主にテクニカル分析とファンダメンタル分析について、その有効性を検証しています。

重要なポイント
  1. チャート分析はうまくいかない
  2. ファンダメンタル分析も必ずしもうまくいかない
  3. テクニカル分析に実質的な価値はない
  4. タイミングを見計らって投資することは危険である
  5. プロといえど業績予想は難しい
  6. 永遠に勝ち続けるファンドは存在しない

著者はテクニカル分析を完全に否定しています。また、ファンダメンタル分析には一部の効果を認めていますが、プロでも難しいという考えです。

テクニカル分析やファンダメンタル分析にチャレンジしたい方は、これらのポイントをしっかり認識したうえで始めるのがよいでしょう。

第3部 新しい投資テクノロジー

主な内容
  • 現代ポートフォリオ理論
  • 行動ファイナンス理論
  • スマート・ベータ戦略

第3部では、いくつかの新しい投資テクノロジーの有効性を検証しています。

重要なポイント
  1. どんな状況下でも市場平均より高いリターンを出し続けられる運用戦略は存在しない
  2. アクティブファンドの高い運用コストは投資家が負担する
  3. 結局はインデックスファンドがベスト

市場平均を上回るリターンを目指して、新しい投資テクノロジーが生まれてきます。しかし、それがうまくいくかは相場状況次第で、どんな状況下でも高いリターンを出し続けられるような運用戦略は存在しないとしています。

また、ファンドマネージャーが積極的に運用にかかわるアクティブファンドは、高い運用コストが投資家の負担になります。そのため、結局は低コストなインデックスファンドがベスト、と結論付けています。

第4部 ウォール街の歩き方の手引

主な内容
  • 全ての投資家に役立つ10項目のアドバイス
  • ライフサイクルに合わせた投資戦略
  • 株式運用のガイドライン

第4部では、これまでの内容から導かれる投資家がとるべき投資戦略について、詳細に記載されています。本書のクライマックスとも言えるパートです。

重要なポイント
  1. 運用目的をはっきりさせる
  2. 投資にかかるコストに目を配る
  3. なるべく多くの銘柄に分散投資する
  4. 投資期間が長くなほど、株式で運用するのが最も有利になる
  5. 暴落局面で積立投資を中断してはいけない
  6. アクティブファンドのうち、どれが市場平均を上回るかを予測する方法はない

投資を始めるには、自分がどこまでリスクを許容できるか認識し、リスクとリターンのバランスをとることが重要だと述べています。

また、低コストなファンドほどリターンが高くなることや、分散投資がリスクを軽減すること、暴落局面での振る舞いなど、投資の基本原則をしっかり学ぶことができます。

その他にも、ここには記載していない重要なポイントがたくさん載っていますので、ぜひ実際に読んでみてください。

本書を読んだ感想

本書は私にインデックス投資を教えてくれたバイブルです。

株式市場で生き残るための教訓、とってはならない行動など、投資家が身につけるべき知識を得ることができました。

全編を通して様々な出来事や事例の説明が長く、伝えたいポイントがどこにあるのか、一度読んだだけではわかりにくいとも感じました。

しかし、どのポイントも株式市場の真理をついた重要なものばかりです。繰り返し読めば、確実に実力アップにつながるでしょう。

初心者には難しい内容かもしれませんが、投資で迷走を繰り返さないためにも、なるべく早い段階で読むべき一冊だと私は思います。

まとめ

多くの投資家に愛される名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」を紹介しました。

本書の結論としては、運用コストの安いインデックスファンドに長期投資するのがベストということです。

テクニカル分析は完全に否定しており、ファンダメンタル分析についても一定の効果を認めつつ、非常に難しいとしています。

テクニカル分析やファンダメンタル分析で株式市場に立ち向かおうと考えている方も、まずは本書を一読することをおすすめします

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